口から肺へと続く空気の通る道(気道)が狭くなってしまうために、呼吸が苦しくなりヒューヒューゼイゼイと音を立てながら呼吸をする状態となる病気が気管支喘息です。気管支喘息のときに、気道が狭くなる理由として挙げられる大切なことは「気道の炎症」と気道の炎症に伴う「気道過敏性の亢進」です。
(アストラゼネカHPより引用)
人間の体は免疫作用によって外敵から守られています。
ところが気管支喘息の患者さんはこの免疫作用(外的から自分を守ろうとする兵隊さんの役割)が過剰に 作用してしまうために、この過剰な自己防衛反応によって気管の壁が厚くなったり、粘り気のある痰がたくさんでるようになったりして気道が狭くなってしまうのです。
もうひとつ気道が狭くなる理由が気道過敏性の亢進です。気管支喘息の患者さんは気道の上皮細胞が壊されるとその下にある神経がむき出しの状態となるので、 ほんの少しの刺激(気温や気圧の変化、刺激性物質など)でも気道が反応しやすくなってしまいます。これを「気道過敏性の亢進」といいます。「気道の炎症」や気道の炎症に伴う「気道過敏性の亢進」によって気管支のまわりにある「気管支平滑筋」という筋肉が収縮しやすくなります。このように、気道の炎症や気道過敏性の亢進によって気管が狭くなると喘息の症状が出現します。
喘息(ぜんそく)は、刺激に反応した気道が炎症を起こして狭くなり、呼吸が困難になる病気です。自覚症状のない軽いものから、重篤になれば呼吸ができず死に至ることもあり、現在でも、年間に多くの人が命を落としています。
大人の喘息の大半は、アレルギー・外部刺激が原因と言われています。ホコリ、ダニ、花粉、ペット、タバコの煙などの刺激に反応し、気道が炎症を起こすのです。さらに気候の変動や精神的なストレスも発作の原因となることがあります。
アレルゲンの特定をするとともに、投薬治療で症状のコントロールを行います。
発作時の炎症をおさえる吸入ステロイド薬と、気道を広げる薬を併用します。現在、喘息の薬は従来よりもさらに進化しており、一つで両方の効果があるものも出てきています。最新の情報を常に取り入れ、患者さまにより楽な治療を心がけています。発作が起こらないようにする治療と、発作時の治療を並行して行います。普段から先手を打って、なるべく発作が起きないようコントロールし、いざ起きた時でも軽い症状で済むように、投薬や吸入治療を組み合わせます。
気管支喘息は定期的な治療をしていたとしても、風邪をひいたり、アレルゲン(喘息の原因となる物質)に暴露したり、季節の変わり目であったり、気候が変化したり、ストレスが加わったりといろいろな条件によって状態が左右されます。咳、喘鳴、呼吸困難などの自覚症状も大事ですが、喘息の状態を把握するための客観的指標として大事なものが、ピークフロー値になります。ピークフロー値とはできるだけ深く息を吸い込んだ後に、できるだけ速くはきだした息の速度のことでピークフローメーターを使って自宅で測定します。喘息のコントロールが悪くなるとこの値が低下します。性別や年齢、身長によって値が異なりますが、目安となる値(あるいは自己ベストの値)の80%以上を保つことが大事です。この値を定期的に測定することで自分の喘息の状態を客観的な数値として把握することができます。
(「ぜんそくを知るための7つのポイント」 アボットジャパン株式会社より引用)