しかし、現実にはそのうち実際に診断や治療を受けている患者さんはごく一部に限られているのが現状です。昼間の眠気が強く、睡眠中のひどいいびき、睡眠中に繰り返す覚醒、起床時の爽快感欠如、日中の疲労感、日中の集中力欠如の症状があるようであれば睡眠時無呼吸症候群を疑うことが大事です。睡眠時無呼吸症候群の7割程度は肥満の方です。残りの3割くらいの方は肥満ではありませんが、下顎が小さいことが特徴です。つまり、肥満でのどの周辺の脂肪が多いことと下顎が小さいことが睡眠時無呼吸症候群のリスクになります。睡眠時無呼吸症候群で危険なことは、健常人と比べて高血圧や心血管病変、脳血管病変、居眠りによる交通事故の比率が高くなることです。睡眠時無呼吸症候群の重症なケースではこのような理由により死亡にいたってしまうことがあるのです。このため、睡眠時無呼吸症候群が疑われた場合には、適切な検査、適切な治療を行うことが大事です。当クリニックでは睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行っています。さらに詳しい一泊入院検査が必要な場合には連携している病院にご紹介させていただきます。当クリニックにおきまして睡眠時無呼吸症候群の治療としてCPAP(持続的に器械で陽圧をかけることで無呼吸状態を改善する治療)の導入も行っております。メタボリックシンドロームを合併する方もいらっしゃいますので、そのような場合には同時に治療を行います。
睡眠時に無呼吸状態になることによって、脳が覚醒し、呼吸するように指令を出します。つまり、身体が睡眠中に細かく覚醒することによって、熟睡ができなくなってしまうのです。
原因は、肥満によるものが7割です。首周りの脂肪が多い、下顎が引っ込んでいるなどで気道がふさがりやすくなってしまう物理的な原因が考えられます。まれに、呼吸中枢の異常で無呼吸を起こす人もいます。
睡眠中の自覚はないため、ご家族の指摘でご来院される方がほとんどです。
疑いがある場合、検査をして、睡眠時無呼吸症候群が診断されてから治療を行います。
軽度の場合はマウスピースを製作し、はめて寝ることで改善される場合があります。 重度の場合は、CPAPと呼ばれる機械をお貸しし、毎晩装着して無呼吸状態を改善します。 原因のほとんどが肥満であることから、生活習慣の改善も効果的です。
簡易検査装置をご自宅で装着して睡眠をとっていただき、 一時間あたりの無呼吸の回数や、血中酸素濃度などデータを測定し、 2週間ほど後に診断結果が出ます。
※この時、重度である場合はそのままCPAPが保険適用となりますが、 中程度であった場合、確認検査をする必要があります。