女性ホルモンであるエストロゲンは以下のような働きをしています。
- 子宮や乳房の働きを活発にする
- 妊娠ができるように子宮を整える
- 自律神経のバランスを保つ
- 骨量を保つ
- コレステロールのバランスを保つ
- 認知機能を保つ
年期以降の女性において、卵巣の機能と女性ホルモンであるエストロゲンは加齢とともに減少していきます。エストロゲンは上記のような作用があるため、
【図1】で示す通り、加齢によりエストロゲンが減少していくにつれて様々な症状が出現します。
- 40歳から50歳では希発月経(月経周期が39-40日以上に延長する場合)や機能性出血を認めるようになります。
- 40台半ばから50台半ばではホットフラッシュ(顔面から始まり頭部、胸部に広がるほてりや発汗)や異常発汗やめまい(自律神経失調症状)、肩こり、疲れ、冷えなどの症状が起こります。
- 40台後半から50台後半では頭重感、倦怠感、不眠、不安、憂うつ、記銘力低下(新しい記憶を覚えておく能力が低下すること)、精神神経症状を認めることもあります。
- 50台半ば以降では動脈硬化、高血圧、脳卒中、冠不全(心血管系疾患)や脊椎椎体骨折、橈骨骨折、大腿骨頸部骨折(骨粗鬆症)、を認めるようになります。