成人の長引く咳

咳に応じた治療

アレルギー性のものにはアレルギーを抑える治療をする、細菌性のものには抗生物質を使う…など、各疾病に応じた治療を行います。
必要に応じて、漢方薬、吸入薬、点鼻薬、貼付薬を使用し、咳の原因に対して効果的に働きかけていきます。

喘息によるもの

吸入ステロイドやロイコトリエン拮抗薬やテオフィリン製剤を患者様の状態に合わせて処方、治療いたします。

咳喘息によるもの

喘息と同様の治療をします。

アトピーによるもの(アトピー咳嗽)

花粉症などにも使われる抗アレルギー剤を使用します。
また、気道の炎症を抑えるために吸入ステロイド薬を使用することもあります。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)によるもの

タバコが原因となって起こる疾患のため、禁煙指導とともに、気道を広げる薬を使用します。

副鼻腔気管支症候群によるもの

「マクロライド」と呼ばれる種類の抗菌薬やアレルギーの薬、漢方薬や点鼻薬を組み合わせて治療します。

逆流性食道炎(胃食道性逆流症)によるもの

胃液の分泌を抑える薬を使用し、逆流をふせぐことにより、咳がおさまります。

感染後咳嗽

肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、百日咳など、感染症の「咳だけが残る」状態です。
早期に適切な抗菌薬を使用し、必要に応じて咳止めを処方します。

咳を見分けるためのポイント

咳を見分けるためのポイント

当院では、まずレントゲンを撮影し、重篤な疾患がないか、異常の有無をチェックします。
その後、以下のようなポイントを伺い、診断を行っていきます。

  • タンをまったく伴わない咳(乾性嗽咳)なのか、それともわずかでもタンを伴う咳(湿性嗽咳)なのか
  • 咳がひどくなるタイミング(食後であれば、逆流性食道炎の疑いあり)
  • 息苦しさを感じるかどうか(喘息の疑いあり)
  • 鼻水はさらさらしているか、ねばねばしているか(感染症かアレルギー性の判断)
  • 最近、海外旅行にいったか(その他の感染症の疑いがあるか)
  • 喫煙をしているか(COPDの疑いがあるか)

問診と、疑いがあるものの検査を行い、正しい診断をつけていきます。
診断に対する適切な治療を行うことが、つらい咳を早く鎮めることにつながります。